★20日の東京都議会では、豊洲移転を決めた責任者である元都知事・石原慎太郎の証人喚問が行われ、百条委員会のハイライトとなった。冒頭、石原は「(2年前の脳梗塞の影響で)残念ながら全ての字を忘れてしまいました。ひらがなさえも忘れました。非常に記憶を引き出そうとしても出ないことが多々あるのでご了承ください」と予防線とも取れる衝撃発言があった。

 ★ワープロと会話で作家活動を続けているということだろうが、その雄弁さは失われなかった。委員長・桜井浩之の仕切りが悪く、自民党の質問も答弁も無駄な文言が多かった。石原擁護なのか、百条委員会の意味が理解できないのか、緩慢に続く質問者の話を注意するでもなく、時間だけがたったといえる。石原は豊洲を移転先とした点について「裁可した責任はある」としたものの、東京ガスとの当初の交渉に関しては「(当時副知事だった)浜渦(武生)に一任していた。報告は受けていない。私がいろいろ立ち入って詮索できる立場でもないし、見識もない」と一切の関与を否定。それどころか「役所に言われるまま」と無関係を通した。

 ★いずれも今後の住民訴訟の裁判対策と思える対応だが、本来の東ガス78億円の積算根拠、それへの石原本人の関与が最大の争点だ。浜渦ら泥かぶり役の寝業師が絶えずいた石原が、自ら東ガス調整に乗り出した経緯がまったくつかめない。一方、都知事・小池百合子批判では雄弁だった。ただ、冒頭の予防線により、答弁の信ぴょう性は著しく下がっただろう。もう石原発言を当てにすることは難しい。(K)※敬称略